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裏磐梯のペンション「Urappo Base(裏っぽベース)」を開業され、檜原漁業協同組合の理事でもある高間舘 賢一(たかまだて けんいち)さん、2017年5月に裏磐梯にいらっしゃいました。移住について話を伺いました。
■移住までのいきさつを教えてください。
こちらに来る前は、仙台で大手家電量販店に勤めていました。釣りが趣味で、海釣りを楽しんでいたのですが、震災をきっかけに、海から湖へ場所が移り、ブラックバスに夢中になりました。そして、ブラックバスの聖地といわれる桧原湖へ通うようになったのが、移住のきっかけでした。そのころ常宿にしていたペンションのオーナーに移住したいと相談したとき、「やめたほうがいい」と即答されたことを今でも覚えています。退職してこちらに夫婦できたわけですが、「一年くらいはのんびり趣味を楽しみながらの生活」を考えての移住でした。
■住まい探しは?
移住を決意して、住む場所を探したのですがすぐに見つけることができませんでした。裏磐梯に唯一あるアパートの部屋がたまたま空いていたので、選択肢もなくそこに決めました。その後、2年ぐらいたって、ようやく知人の紹介で住居がみつかり引っ越ししました。裏磐梯は公開されている物件がほぼないというのが状況なので、こちらにつてがないと住居を見つけるのは相当困難という印象です。
■移住してからの仕事はいかがですか。
移住して半年くらいして、環境にも慣れたころ、知人の紹介でゴールドハウス目黒へ就職しました。キャンプ場の管理人や、釣りのガイドやボートクルージング、レンタルボートの管理など、冬はワカサギ釣り関連の仕事をしていました。その後、独立してペンション経営をしています。また、裏磐梯という場所は、シーズン毎にいろいろな仕事があります。ペンション経営の傍ら、除雪や、ワカサギの養殖等の仕事も行っています。
■四季を通じての暮らしはいかがですか。
もともと東北出身なので、雪国の暮らしは慣れていたので違和感はありませんでした。それよりも、衣食住の不便さに戸惑うことがありました。特に食については、スーパーが近くにないので買物で半日潰れてしまうことや、好きな寿司や、焼肉など、「ちょっと外食」ということができないなど・・・また、物価が特に安いわけではなく、冬の光熱費や車などの移動にかかる費用はかなりかさみますので、余計に応えました。
しかしながら、生活に慣れ、地域のいろいろな方と知り合えて、お付き合いの幅が増えると、生活基盤が落ち着き、いろいろな意味で不便を楽しめるようになってきました。
いまでは、外食もたまにいくことが、ここでの楽しみ方の一つとなりました。
■これからの目標をきかせてください
ペンションは、人が集まる拠点となるよう、大人の自由時間を楽しんでいただけるアクティビティメニューや食事、居酒屋の併設、長期滞在型のマンスリープラン等も用意しています。とくにこちらに移住を希望される方々が試しに使っていただけるような宿として支援ができればとも考えています。今後は、宿の経営を通して、いろいろな方とのつながりから、多角的な展開をしていきたいです。最近は趣味もかわり、畑に関心が向いています。まだ、具体的ではありませんが、これからは、耕作放棄地の活用やシルバー人材の起用など、少しでも地域の活力になることができればと考えています。
■移住を考えている方へのアドバイスを
こちらへの移住は、甘くないです。金銭面や仕事探しも含め、生活の不便さは甘くないです。いまでも楽しいこともある反面、楽しくないことも多々あり、半々くらいの感じです。四季を通じて、自然の雄大さには圧倒されることもあり、地域の魅力も多いのですが、地域の人と気候と村の仕組みに慣れて、不便を楽しむことができるまでは、覚悟が必要です。地域の方々のやさしさに触れ、不便を楽しめるくらいに地域に溶け込むことが重要だと思います。
そんな自らの経験をもとに、これから移住を考えている方が、スムーズに定着できるように自分の経営するペンションを通して支援していきたいとも思っています。
「大人が遊んでくらせる宿」ペンションUrappo Base